こんにちはTHE COREです。
アガベやアロエ、塊根植物などコアな植物をコレクション、販売しています。
植物歴は10年以上で、植物の現地探索もしていたりします。
今回は、誰でもできるパキポディウムの水やり方法についてお話しします。
パキポディウムは見た目の魅力が強い反面、水やりで失敗しやすい植物です。
「乾燥に強いから水は控えめ」というイメージを持っている方も多いと思います。
ですが実際には、その思い込みが原因で調子を崩すケースがとても多いです。
育て始めた頃は水やりで何度も失敗してきました。
だからこそ、遠回りせずに育てるための考え方を共有したいと思います。
特に初心者の方や、なかなかうまく育たない方には参考になるはずです。
現地球と実生株の違いや、季節ごとの管理ポイントも含めて解説します。
パキポディウムの水やりを「感覚」ではなく「理解」に変える内容です。
それではここから、具体的な水やりの考え方を詳しく見ていきましょう。
パキポディウムは「現地球」と「実生株」で考え方が違う
まず前提として、必ず知っておいてほしいのが、パキポディウムには大きく分けて現地球と実生株が存在するという点です。
現在、実生株のみを販売していますが、過去には現地球を実際に育てていた経験もあります。
現地球は、もともと乾燥した環境で長い年月をかけて育った株です。
そのため、日本の高温多湿な環境に対して非常に繊細で、環境の変化に強く影響を受けます。
特に夏場は、
・強い直射日光
・日本特有の高湿度
・水やりの量
この3つのバランスが崩れることで、一気に調子を落とすことがあります。
強光+高湿度+過剰な水分が同時に重なると、株の内部に湿気がこもりやすくなり、腐りの原因になるケースも少なくありません。
そのため現地球を育てる場合は、季節や天候だけでなく、株一つひとつの状態を見ながら、かなり慎重に管理していく必要があります。
一方、実生株は、日本の環境下で発芽し、そのまま成長してきた株です。
そのため、暑さや湿度に対する耐性が比較的高く、環境変化にも順応しやすい傾向があります。
この理由から、初心者の方はまず実生株から育てる方が圧倒的に失敗が少ないと、個人的には強く感じています。
冬の水やり:落葉したら基本は断水
パキポディウムは、冬になると自然と休眠期に入ります。
葉が黄色くなり始め、徐々に落葉していく様子が見えたら、それは休眠に入った明確なサインです。
この時期は、基本的に水やりは一切必要ありません。
うちでは12月頃になると、ほぼすべての株が完全に休眠し、春まで水を与えない管理をしています。
無理に水を与えず、しっかりと乾いた状態で冬を越させることで、株は安全に休眠に入ります。
ただし、株がまだ小さい場合や、幹が明らかに細くなり、シワが深く出てきている場合は注意が必要です。
そのような株については、真冬であっても、天気が良く気温が上がる日を選び、軽く水を与えて一度膨らませておくことがあります。
これを2〜3回ほど行っておくと、春の立ち上がりが格段に良くなると実感しています。
また、パキポディウムはしっかり休眠させないと花が咲きにくい植物です。
花や種を楽しみたい方ほど、冬は「何もしない勇気」を持って、しっかり寝かせてあげることが重要です。
春の水やり:最低気温が最重要ポイント
春になり、気温が徐々に上がってくると、パキポディウムは少しずつ目を覚まし始めます。
新芽が動き出すと、「そろそろ水をやってもいいのでは?」と思いがちですが、芽が出た=すぐ水やり、という考え方は非常に危険です。
外気温がまだ安定せず、最低気温が一桁台の日が続く場合、株はまだ完全に活動状態に入っていません。
このタイミングで水を与えてしまうと、根が十分に動いていない状態で水を含み、調子を崩す原因になります。
水やりを開始する目安としては、最低気温が10℃以上で安定してきたタイミングです。
この条件が揃って初めて、本格的な水やりを開始します。
その際は、少量を控えめに与えるのではなく、鉢全体にしっかりと水を与えることが重要です。
土の中を一度リセットし、水と同時に空気をしっかり入れ替えるイメージで与えることで、株の反応は明らかに良くなります。
春〜初夏:乾いたらしっかり水をやる
葉が2〜3枚ほど展開する時期までは、パキポディウムの様子をよく観察しながら、土の乾き具合を確認して水やりを行います。
この時期の基本はとてもシンプルで、土が完全に乾いたことを確認してから、再びしっかりと水を与えるというサイクルを丁寧に繰り返していきます。
中途半端に湿った状態で次の水を与えるのではなく、鉢の中が一度きちんと乾ききったことを確認することが重要です。
そのうえで、与えるときは表面だけでなく、鉢全体に水が行き渡るようにしっかりと与えます。
この時期は、まだ水やりの頻度が完全に安定するわけではなく、天候や気温、株の状態によっても変わってきます。
そのため、カレンダー通りに水をやるのではなく、株の反応を見ながら微調整していく期間だと考えると分かりやすいです。
感覚的な部分も多くなりますが、この段階で最も大切なのは、葉の張りや色、成長のスピードなど、株の様子を丁寧に観察することです。
無理に水やりの回数を増やしたり、成長を急がせる必要はありません。
あくまで、パキポディウム自身のペースを尊重しながら、状態に合わせて水を与えていくことが、この時期を安定して乗り切るポイントになります。
夏の水やり:「控える」は間違い
よく「真夏は水やりを控えましょう」と言われることがありますが、実生株に関してはこれは大きな誤解だと感じています。
特に日本のような猛暑と高温が続く環境では、水を切ることで一気に株が弱ってしまうケースが非常に多いです。
パキポディウムは夏の強い日差しと高温の中で活発に成長します。
その成長を支えるためには、根からしっかりと水を吸わせてあげる必要があります。
実際、僕自身も水がうまく行き届いていなかった株を、真夏に傷めてしまった経験があります。
その失敗を通して、水をやりすぎることよりも、水不足の方がリスクが高いという考え方に変わりました。
夏場は、ほぼ毎日のように水を与えています。
特に気温が高く、鉢がよく乾く環境では、水やりの頻度を落とす理由はほとんどありません。
実際に、雨に当てたパキポディウムが目に見えて元気になる姿を見ると、この植物がいかに水を好み、必要としているかがよく分かります。
真夏は水を怖がるよりも、株の反応を見ながらしっかり与えることが重要です。
秋の水やり:黄色くなったらストップ
秋が近づき、気温が徐々に下がり始めると、パキポディウムの葉は黄色や赤っぽく色づいてきます。
この葉色の変化は、成長期が終わりに向かっているサインであり、水やりを終わらせる準備に入る合図でもあります。
この変化が見え始めたら、水やりの回数を減らし、最終的には止めていきます。
完全に葉が落ちるまで水を与え続ける必要はありません。
色づき始めた段階で水を切ってしまって問題なく、むしろその方がスムーズに休眠へ移行します。
夏の間にしっかり水を与え、株を十分に充実させておけば、そのまま冬まで体力を保った状態で持たせることができます。
まとめ:水やりは「季節」と「最低気温」
パキポディウムの水やりは、一見すると感覚的で難しそうに見えるかもしれません。
しかし実際には、季節の流れに合わせて考えるだけの、とても理にかなったシンプルな方法です。
重要なのは、季節の変化、最低気温、そしてそのときどきの株の状態を丁寧に観察することです。
この3つを意識するだけで、水やりの判断は驚くほど分かりやすくなります。
特に実生株は、水を怖がりすぎず、必要なタイミングでしっかり与えることで、見違えるほど元気に育ちます。
今回の内容を基本として、ご自身の育成環境に合わせながら、少しずつ感覚を掴んで調整してみてください。
パキポディウムは、水をやらなさすぎる方が失敗しやすい植物です。
季節と最低気温を意識して、メリハリのある水やりを楽しんでいきましょう。
なお、この記事の内容は動画でも実際の株を使って解説していますので、より分かりやすく知りたい方はぜひ動画もあわせてご覧ください。
