こんにちはTHE COREです。
アガベやアロエ、塊根植物などコアな植物をコレクション、販売しています。
植物歴は10年以上で、植物の現地探索もしていたりします。
さて、いよいよ本格的な夏が近づくこの時期。
アガベ・チタノタの夏越し対策が非常に重要になってきます。
近年の猛暑では、葉焼けや腐敗などのトラブルも増えてきました。
特にオテロイタ系は強い直射日光で瀕死になることもあります。
安全に夏を越すために重要なのは、日差しのコントロール=遮光です。
遮光ネットを使い、日中の強い時間だけ光を弱めるだけでも効果があります。
屋上や庭では複数枚のネットで日差しのグラデーションを作るとさらに安心です。
マンションなどスペースが限られる場合も、日差しの当たる時間を見極めて株を置くだけでダメージを抑えられます。
ポイントは、「全日遮光ではなく、一部時間だけ光を遮る」ことです。
それでは、次の章では具体的な遮光の方法や株ごとの置き場所のコツについて詳しく解説していきます。
近年の猛暑で起き始めたアガベの「夏の痛み」
アガベといえば「直射日光に強い」「屋外管理が向いている」「とにかく日光を当てたほうが締まる」というイメージが一般的です。実際、筆者も長年そう信じて管理してきましたし、以前はそれでうまくいっていました。
しかし、この2〜3年で状況は大きく変化しています。
真夏の直射日光があまりに強すぎるため、
- 葉の一部が茶色く変色する(部分焼け)
- 表面が白く乾いたように焦げる(面焼け)
- 焼けた部分から雑菌が入り、腐敗に発展することもある
こういった“夏の痛み”が以前より格段に増えました。
特にチタノタ系(オテロイ・白火焔など)は、株の締まり具合や根の動き方によって、焼けやすさに大きな差が生まれます。普段は強く育てている株でも、昨年初めて焼けた、というケースも珍しくありませんでした。
これは単純な管理ミスではなく、
気候の変化そのものがアガベ栽培の難易度を上げている
ということでもあります。
最も効果的な対策は「部分的な遮光」
夏越しの対策としては水管理・風通し・鉢の素材などさまざまな要素がありますが、近年の状況を見ると “遮光の導入が圧倒的に効果的” です。
「アガベなのに遮光が必要?」
「今まで直射で問題なかったのに…?」
そう思う方も多いと思いますが、今の日本の夏は“以前とは別物”。
特に午後の日差しはアガベでも耐えられないほど強烈なことが増えています。
■ 遮光率30%を“使い方次第”で活かす
遮光率30%は弱すぎず強すぎず、多くのチタノタにちょうど良いバランスです。
しかし、ここで重要なのは 「1日中遮光をかけないこと」。
終日30%遮光の環境で育て続けると、
- 葉が柔らかくなる
- 間延びしたような形になる
- チタノタ特有のワイルドさが弱くなる
といった徒長が起きやすくなり、理想の締まったフォルムから遠ざかってしまいます。
理想は、
- 日中の2〜3時間だけ日が当たらない時間をつくる
- 朝〜昼の光はしっかり当てる
- 特に焼けやすい14〜16時の光だけ避ける
という、メリハリのある日照管理です。
これにより、
「日焼けリスクを抑えながら、しっかり締まった株を作る」
という本来難しい両立が可能になります。
実際の遮光ネットの配置例
筆者の現場では、2m幅の遮光ネットを2枚使い、あえて“全部は覆わない”張り方をしています。
■ グラデーションを作ることで調整の幅が広がる
ネットを完全に広げてしまうのではなく、
部分的に張って、光の当たり方に段階をつける
ことがポイントです。
この方法では、
- 直射ゾーン(ガンガン作り込みたい株)
- 半日陰ゾーン(焼けやすい株)
- 完全日陰ゾーン(斑入り・幼苗・休眠中の株)
といった3つの環境を簡単につくることができ、株のコンディションに合わせて置き場所を自由に調整できます。
また、日差しの角度は季節や時間帯で変わるため、
“1日観察しながら微調整する” ことが非常に重要です。
朝と夕方では日陰のできる位置も変わるため、
「焼けやすい株は夕方だけ日が遮られる場所へ」
「作り込みたい株は午前中しっかり光が入る位置へ」
といった細かい調整が可能になります。
自宅でできる夏越しの工夫
ベランダでも庭でも、考え方は同じです。
- 建物の影になる時間帯を把握する
- 焼かせたくない株は影が落ちる時間帯に合わせて配置
- 小さめの遮光ネットで“部分的な日陰”を作る
- 株の状態を見ながら置き場所をこまめに変える
特に大株は、一度葉焼けすると跡が残りやすく、復活に時間がかかります。
大切な株ほど “影の特等席” を確保してあげましょう。
マンションの場合でも、
壁・手すり・物干し・バルコニーの上部など
さまざまな場所が自然な遮光ポイントになります。
まとめ:夏越しを成功させるコツ
近年の日本の夏は、アガベにとって避けられない大きな試練になっています。
しかし 部分的な遮光を取り入れるだけで、夏越しの難易度は劇的に下がります。
ポイントをおさらいすると、
- 30%遮光でも“1日中はNG”
- 午後の強烈な直射(特に14〜16時)を避けることが重要
- 直射・半日陰・完全日陰の3段階環境を作ると管理が楽
- 1日の中で光の変化を観察し、置き場所を柔軟に変える
ほんの2〜3時間だけ遮光するだけでも、葉焼けの発生率は大幅に下がります。
「焼けさせない」「締めて育てる」
この2つを同時に叶えるには、これからの夏は“遮光の使い方”が鍵になります。
夏のアガベは“直射ガンガン”よりも“部分遮光”が安全!
特にチタノタ系は焦げやすくなっているので、ぜひ早めに対策してあげてくださいね。
詳しい手順や実例は、動画でも分かりやすく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
