こんにちはTHE COREです。
アガベやアロエ、塊根植物などコアな植物をコレクション、販売しています。
植物歴は10年以上で、植物の現地探索もしていたりします。
さて今回は、パキポディウムのおすすめ品種を4種類ご紹介していきます。
パキポディウムといえばグラキリスを思い浮かべる方が多いですが、
今回はあえて王道だけに寄らず、+αで楽しめる品種を選びました。
パキポディウムは生息地によって姿や性質が大きく異なり、
同じ属とは思えないほど多様な魅力を持つ塊根植物です。
また、現地球と実生株では育てやすさや管理方法も大きく変わります。
これから育て始める方にとって、品種選びはとても重要なポイントです。
今回はフォルム・育てる楽しさ・将来性の視点から厳選しています。
グラキリス以外の魅力を知りたい方にもおすすめの内容です。
それでは、ここから本編で詳しく見ていきましょう。
パキポディウムとはどんな植物か
パキポディウムは、塊根植物の中でも特に人気の高い属で、その理由は見た目のインパクトと品種ごとの個性の幅広さにあります。まず大きな特徴として、パキポディウムは生息地によって大きく 2つの系統 に分けることができます。
ひとつは南アフリカを中心とした大陸側に生息するタイプ、もうひとつはマダガスカル島に生息するタイプです。この生息地の違いが、そのまま樹形や育ち方、雰囲気の違いとして表れています。
南アフリカ系のパキポディウムは、幹が地面から立ち上がり、縦方向にすっと伸びていく姿が特徴です。いわゆる「木立ちタイプ」と呼ばれるものが多く、野性味のあるシルエットや、樹木のような存在感を楽しむことができます。高さが出る種類も多く、鉢植えでも迫力を感じられる点が魅力です。
一方で、マダガスカル原産のパキポディウムは、地面に張り付くように低く育ち、幹が丸く膨らむものが多く見られます。こちらは塊根植物らしい造形美を強く感じられるタイプで、コンパクトながらも強烈な個性を放ちます。丸みを帯びたフォルムや、ぎゅっと詰まった成長の仕方に惹かれる方も多いのではないでしょうか。
さらにマダガスカル島は南北に長く、地域ごとに気候や環境が大きく異なります。そのため、同じ島内であっても生息地によって姿形がまったく異なる品種が存在します。特定の地域にしか自生していない品種も多く、造形の美しさだけでなく、希少性や背景を含めて楽しめるのが、パキポディウムという植物の奥深さです。
現地球と実生株の違いについて
パキポディウムを語るうえで欠かせないのが、「現地球」と「実生株」という2つの存在です。これは購入や育成を考える際に、非常に重要なポイントになります。
現地球とは、原産地であるアフリカやマダガスカルから採集された野生株のことを指します。長い年月を自然環境で生き抜いてきたため、幹の迫力や風格は圧倒的で、ひと目で惹きつけられる魅力があります。
しかしその反面、日本の環境は原産地と大きく異なります。特に高湿度、四季による寒暖差、梅雨や冬の低温といった条件は、現地球にとって大きなストレスになります。その結果、最初は問題なく育っているように見えても、数年かけて徐々に弱り、最終的には枯れてしまうケースも少なくありません。
一方、実生株は種から日本の環境下で育てられた株です。幼い頃から日本の気候に慣れているため、環境への適応力が高く、水やりや温度管理に関しても比較的おおらかに育てることができます。多少ラフな管理でも順応してくれる強さがあり、失敗しにくいのが大きなメリットです。
そのため、これからパキポディウムを育て始める方や、長く付き合いたいと考えている方には、実生株からのスタートを強くおすすめしています。植物を理解しながら育てる楽しさを、しっかり味わえるはずです。
パキポディウム・グラキリス
まず最初に紹介するのは、パキポディウムの中でも圧倒的な知名度と人気を誇る パキポディウム・グラキリス です。まさに王道中の王道といえる存在です。
グラキリスの最大の魅力は、幹がぷっくりと丸く膨らみ、そこから枝分かれして葉を展開する独特のフォルムにあります。この姿こそ、多くの人が思い描く「パキポディウムらしさ」そのものではないでしょうか。
春になると花芽がぐっと伸び、鮮やかな黄色い花を咲かせます。無骨な幹と可憐な花の対比は非常に美しく、初めて開花を見たときの感動は忘れられません。鑑賞価値の高い花を楽しめる点も、グラキリスが長く愛され続けている理由のひとつです。
また、剪定を繰り返すことで枝数を増やし、樹形を作り込むこともできます。育てながら姿をデザインしていけるため、年数を重ねるほど愛着が増していきます。定番でありながら、決して飽きることのない、外せない一株です。
パキポディウム・ブレビカウレ(恵比寿笑い)
続いて紹介するのが パキポディウム・ブレビカウレ、通称「恵比寿笑い」です。グラキリスとはまったく異なる方向性の魅力を持つ品種です。
ブレビカウレの最大の特徴は、地面に対して扁平に広がる独特な成長スタイルです。幹は低く、丸く、ぎゅっと詰まるように成長し、さらに成長点が増えることで複雑な形状へと変化していきます。
この品種の面白さは、育て方によって姿が大きく変わる点にあります。扁平な形を維持することもできますし、管理次第では少し盛り上がるようなフォルムに育てることも可能です。同じブレビカウレでも、育てる人が違えばまったく別の姿になることも珍しくありません。
奇妙さ、ユーモラスさ、そして塊根植物らしい存在感を併せ持つブレビカウレは、育てる楽しさを強く感じさせてくれる品種です。
パキポディウム・エニグマティクム
3つ目に紹介するのが パキポディウム・エニグマティクム です。この品種は、比較的新しく登録されたパキポディウムで、知る人ぞ知る存在といえます。
レア度の高さはもちろんですが、実生で育てたときの姿が非常に魅力的です。幹は丸く、むっちりと成長し、コンパクトながらも密度の高いフォルムになります。時間をかけてじっくり育てることで、その魅力がより際立ってきます。
特に印象的なのが花の美しさです。花茎がすっと伸び、ラッパ状に細くなる花のラインには、他の品種にはない上品さと繊細さがあります。派手さではなく、静かな美しさを楽しみたい方におすすめしたい品種です。
長く育てるほどに魅力が増し、気が付けば特別な存在になっている。そんな不思議な魅力を持ったパキポディウムです。
パキポディウム・エブレネウム
最後に紹介するのが パキポディウム・エブレネウム です。この品種は、力強さを前面に感じられるパキポディウムです。
エブレネウムの特徴は、白みがかった幹肌と、非常に太く存在感のあるトゲにあります。他の品種と比べてもトゲの主張が強く、荒々しさと野性味を強く感じさせます。その一方で、全体のバランスは美しく、粗野になりすぎない点も魅力です。
成長とともに下部のトゲは徐々に落ち着いていきますが、それでも残る力強さは健在です。花の色も白から黄色まで幅があり、個体ごとの違いを楽しむことができます。
将来的には交配親としての可能性も高く、今後の展開を想像するだけでも楽しみが広がる品種だと考えています。
まとめ:まずは実生株でパキポディウムを楽しもう
今回紹介した4品種は、それぞれがまったく異なる個性を持ち、どれを選んでもパキポディウムという植物の魅力をしっかりと感じられるものばかりです。
グラキリスの王道感、ブレビカウレの奇妙さ、エニグマティクムの上品さ、エブレネウムの力強さ。それぞれ違った方向性の魅力があり、自分の好みに合った一株を選ぶ楽しさがあります。
これからパキポディウムを始める方は、まずは実生株を選び、じっくりと育ててみてください。環境に慣れた株を時間をかけて育てることで、植物との距離が自然と近づき、日々の変化をより深く楽しめるようになるはずです。
パキポディウムは、結果だけを見る植物ではなく、育っていく過程そのものを楽しむ植物です。時間をかけて向き合うほど、その魅力は何倍にも膨らんでいきます。ぜひ、自分だけの一株を見つけて、長く付き合ってみてください。
なお、株姿や雰囲気をより分かりやすく解説した動画もありますので、ぜひ動画もあわせてご覧ください。
